不登校となったお子さんにオススメしたい習い事として、「料理教室」があります。
なぜ料理教室かというと、「食べる」という生きる糧の一つを身につけることができるからです。
人が皆、食べなくては生きていくことができないのは当たり前のことですが、「生きる糧」として美味しい食事が心の活力になったり、食事そのものが楽しみになったりということも多くの人が経験しているかと思います。
現代では、食事はコンビニですぐに購入できますが、例えば天災など、何かがあったときのためにも、最低限の料理スキルを身につけておくと、いざとなった時、保護者の方もお子さん自身も安心なのではないでしょうか。
また、料理教室は、料理の基本を学ぶことができるのは勿論のこと、他の生徒や指導者と交流することもできるので、家庭以外の居場所にもなり得るところです。
料理を教えているご家庭もあるかとは思いますが、保護者の元である家庭とは違う場所で習得する経験は、お子さん自身の自立と、一人で成し遂げる自信にもつながります。
不登校となったお子さんの中には、「自分が不登校になったことを、保護者に対して引け目として感じている」「自分が不登校であることで保護者に心配をかけたくない」と思っている方もいるそうです。
お子さん自身が自分を責めることは、心が不要に傷つき、本来解決しなければならない問題を遠ざけてしまうことにもなりかねません。
そのような事態を防ぐために、例えば、一食でもお子さんが料理をして家族に振る舞うなどの役割を持ち、その料理を食べて家族が喜ぶことは、家族の一員として貢献しているという自信を持つことや、自己肯定感の向上にも繋がります。
自己肯定感が上がることで、家族以外の人との関わりにもチャレンジしやすくなり、いずれは家庭以外にも居場所を見つけられるなど、結果としてお子さん自身の世界も広がるのではないでしょうか。
【役立つ情報】外部リンク
- 小さいお子さんでも参加できる1日料理教室
(例)満4歳から参加できる料理教室(ABCクッキングスタジオ)
大手料理教室のABCクッキングスタジオが開催する、お子さん向けの1日料理教室です。参加費用はレッスンにより異なりますが、週に1回など定期的に通うコースとは違い、入会金がかからないため、比較的参加させやすいのも特徴です。保護者が一緒に参加しないタイプの料理教室のため、一人で知らない大人や他のお子さんと関わるチャンスでもあります。また、ABCクッキングスタジオでは、小学校4年生以上から、定期的に通うコースにも参加することができます。
- お子さん限定の料理教室
(例)東京・千葉・静岡で運営されているお子さん向け料理教室「まじかるれっすん」
「まじかるれっすん」は、生徒に大人はおらず、お子さんだけが参加できる教室です。全てのコースが定期的に通う形式なので、他のお子さんと一緒に継続して楽しく学ぶことができます。同じ「料理」という分野に興味のあるお子さんが集まるため、互いに共感し合える機会も多くあります。また、生徒同士の年が近いからこそ切磋琢磨できる可能性もあります。お子さんだけを対象にした料理教室は、数は多くありませんが、お子さんの性格によっては、子供同士で学ぶからこそ「参加することへの緊張感が弱まる」というメリットもあるかもしれません。
- 料理を趣味にする10のメリットと料理を趣味にする5つの方法(シェフレピ)
料理が、作る人の心身にもたらすメリットについて解説している記事です。不登校になった子供たちの中には、思春期に入り、保護者とのコミュニケーションが少なくなっている人もいるかと思います。ゆくゆく料理が趣味になることで、保護者と一緒に台所で料理する機会が増え、会話のきっかけをつくりやすくなるかもしれませんね。また、本記事ではオンラインの料理講座についても説明がされています。オンラインの料理教室は、自宅で手軽に始められるという大きなメリットがありますが、その反面、自宅で必要な調理器具を揃える必要があったり、直接質問ができないために分かりにくい箇所が出てしまったり、人との関わりが薄くなってしまうという課題もあります。料理の技術のみを身につけたい場合はオンライン形式も良いと思いますが、人との関わりを持つためにも、実際に教室へ通う形式の料理教室に行くことをオススメします。
- 発達障害、不登校の専門コースのある料理教室「lago」を取材した記事(学びリンク株式会社)
滋賀県にある料理教室「lago」では、発達障害を持つお子さんや不登校のお子さんを対象にしたコースを設けているそうです。この記事には「lago」の代表である中川さんへのインタビューが掲載されており、料理を通じて「遠くの不登校同士」が集まることについて、お子さんや保護者の様子や感想が語られています。料理教室へ通うことによるお子さんの変化は、一人一人異なることが前提ですが、中には料理自体を好きになり、レッスン外でも自ら料理をするようになったお子さんもいらっしゃるようです。