留学は、不登校のお子さんに限らず、全てのお子さんに勧められることではありません。
日本で成長することが適しているお子さんが当然いますし、国にもよりますが、費用は一般的な進学以上にかかることが多く、海外にいるうちは保護者のサポートを十分に受けることも難しくなります。
しかし、もしもお子さんが心から海外に興味を持ち、「どうしても留学したい」と思うのであれば、ぜひチャレンジしてもらいたいことの一つです。
なぜならば、留学は、家庭や住んでいる国から巣立ち、自分自身や自分の置かれている環境を思い切って変えられる、大きなチャンスだからです。
家庭から巣立つとは言っても、留学しているお子さんの中には、保護者が同行している場合もありますが、保護者が同行していたとしても、慣れ親しんだ環境を離れることは、非常に勇気のいる、お子さんの人生において重要な行動だと思います。
また、留学をしているお子さんの中には、不登校の経験がある方や、人間関係のトラブルや日本の学校での学習指導に適応しづらいことが要因で留学している方も多くいます。
よくSNSなどでも発信されている方がいますが、このような要因があって留学したお子さんの多くは、「思い切って自分自身を変えたい」「自分に合った環境へ行きたい」と思い、留学を選択されたようです。
こうして留学されたお子さんの中には、海外での生活によって自己成長を感じることで自己肯定感が向上し、現地の人々との交流を通じて新たな居場所を見つけられる方も多くいます。
そして、海外での進学や就職など、そのまま日本以外の国で次のステップに進まれている方も少なくありません。
一方で、留学をしたからといって、お子さん全員がその国に馴染んで十分に勉強できるとは限らず、途中で退学してしまったり、帰国してしまったりすることもあります。
全員が卒業などの自分自身の目標を達成できるわけではないということを踏まえると、留学へのチャレンジはお子さんだけでなく、資金の用意や留学に関わる準備をする保護者にとっても、大変勇気のいる選択です。
もしお子さんが留学を望むのであれば、まずはお子さん自身が希望する国の言語をどのような姿勢で学び、自ら情報を収集しているかを見て、留学への真剣な意欲を確認することも必要かもしれません。
そしてその結果、お子さんが本気で留学に対して取り組んでいるのであれば、たとえ実際に留学した際に卒業などの目標が達成できなくとも、留学はお子さんたちの人生において大切な経験の一つとなるでしょう。
【役立つ情報】外部リンク
- 不登校からの留学(海外教育研究所)
不登校のお子さんが留学することについて、必要な心構えなどを解説している記事です。保護者からよくある質問への回答も記載されており、留学を考え始めた際に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
- 不登校のお子さんが留学をするメリットとデメリット
(例)不登校からの海外留学にはどんなメリットがある?(コエテコ)
(例)小学生・中学生から行ける不登校海外留学のメリット・デメリットを解説します(ツナグバ)
留学には、大変多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。留学自体だけではなく、留学先の国においても、その国の特徴や、留学で得られることだけでなく、気をつけなければならないことも知っておく必要があります。事前に知ることで、危険やデメリットをできるだけ予防することが可能です。
- 不登校などを経験し、留学した、または現在留学を目指している方の体験談
(例)数年間笑顔を忘れたクラスで一番暗い女子から変わりました (YouTube)
(例)自分の“コンプレックス”との向き合い方とは?(不登校解決ブログ)
実際に留学をされた方が留学経験を通してどう変わったのか、また、留学を志すきっかけや、留学を目指すにあたって努力していることなどを、リアルに知ることができます。他の人の体験を知ることで、お子さん自身も保護者も、少なからずあるであろう留学に対する不安が、和らぐこともあるかと思います。
- 留学費用や奨学金などについて
(例)高校生の私が1年無料で留学した方法とは? (探求型育児)
(例)子供の留学費用!一般家庭の節約方法をFPが解説 (マネきっず)
国によって差はありますが、留学費用が高額であることは広く知られているかと思います。しかし、奨学金や利用可能な制度をよく調べ、家計に無理なく費用を確保する方法を模索することで、新たな選択肢が開ける可能性もあります。例えば、貯金のために何ができるかを知ることや、留学先で費用を抑えられる住居を見つけること、または交換留学プログラムの利用を検討することなどが挙げられます。
- 参考記事「バイリンガルは10歳まで、英語習得は18歳まで」(ニューズウィーク)
乳幼児期に英語学習を開始しなければ、ネイティブレベルに達するのは難しいという考えを覆される驚きの内容です。ネイティブレベルになるための絶対条件は、乳幼児期に始めることではなく、小学校時代を通して学ぶことだそうです。