【有名人への「推し活」で人とつながる編】不登校の高校生・中学生・小学生の居場所や過ごし方

不登校のお子さんが、自らの意思で有名人の推し活をされる場合、そのお子さんにとって推し活は心の支えとなり、他の人とのつながりを築き、お子さんの居場所となる可能性があります。

まず推し活とは、Z世代を中心に流行っている言葉で、アイドルやキャラクターなどの「推し」のファンとなり、様々な形で応援する活動のことです。

推し活の対象は、実在の人物から施設や物(仏像や建築物まで)で多岐にわたりますが、本記事では、芸能人やYouTuberなどの有名な人物を対象とした推し活についてお話ししたいと思います。

有名人への推し活には、さまざまな応援の方法がありますが、代表的な活動としては、推しに関するグッズの収集や、手作り応援グッズの制作、ライブや握手会などの直接会えるような場所やイベントへ参加することが挙げられます。

実際に推し活をされている方の経験によれば、好きな有名人を応援するという熱中できる活動があることで、推し活のためにも勉強などの日常生活に精一杯取り組むことができるなど、普段の生活のモチベーションを高める効果があるとのことです。

さらに、不登校となったお子さんの中には、外出が怖くなってしまう方もいらっしゃいますが、このようなお子さんが、推し活があることで外出する勇気をもてることもあるようです。

不登校のお子さんの体験談によると、推し活に熱中するうちに外出への恐怖心が薄れ、一人で予算の中で外出の計画を立てたり、推し活を通してできた友人と遠方へ行けるようになったとのことでした。

このように、推し活は、推し活を通してファンコミュニティに参加し、お子さんが共通の興味や価値観をもつ仲間との交流を通じて、新たな人と関わりをもつことや、推し活友達を見つけることもできます。

推し活は、社会的なつながりを築く手段としての役割を果たし、お子さんにとって新たな居場所になる可能性があるのです。

しかし、保護者の皆さんには、お子さんの推し活について、注意していただきたいことがあります。

それは、お子さんと保護者で、推し活にかける費用や、どのように日常生活に推し活を取り入れるのかよく話し合い、お子さんの生活に支障をきたしていないか気にかけたり、お子さんと約束事を決めたりする必要があるということです。

推し活の方法は人それぞれで、同じコンテンツを応援する者同士でも考え方が大きく違い、付き合う人によっては、お子さんや相手の方が互いを負担と感じる可能性があります。

よくある違いとしては、グッズの収集にかける金額の違いや、どのくらいの頻度でライブに参加するか、また、自分の推しに半ば本気の恋をしており、周りの推し活友達を敵視してしまう方もいます。

付き合う推し活友達に合わせすぎたり、逆にお子さんが合わせることを強いてしまうと、互いに精神的に無理が生じてしまったり、金銭的なトラブルに発展してしまうこともあります。

こうした理由から、お子さんの心を守るためにも、保護者とお子さんで最小限の約束事を決めておくことをオススメします。

また、お子さんにとっては推し活自体が大切なことですが、だからこそ目の前にいる推し活友達の気持ちを思いやることを忘れてしまうことや、逆にお子さんが推し活友達に蔑ろにされてしまったり、要求を断れないこともあったりするようです。

保護者は、お子さんにとって、有名人への応援の気持ちが最優先になってしまうのではなく、目の前の人との関係を大切にできるように助言をすることや、推し活友達との付き合いに無理が生じてしまっていないか気を配って、見守ることが大切です。

【役立つ情報】外部リンク

  • 特集「推し活を知る」(国民生活センター) ※このリンクはPDFファイルです。
    国民生活センターに掲載された特集記事です。推し活が普及した背景や、推し活をめぐる問題について解説されています。推し活をめぐる問題については、社会人が推し活に没頭することで生じる依存の可能性や、金銭的なトラブルに触れられていますが、同様の問題はお子さんにも生じる可能性があります。しかし見方を変えれば、このような問題の可能性があるからこそ、ファンとしての活動を楽しむためにどうすれば良いのかお子さん自身が考えることや、お金の重要性や価値観を学ぶ機会にもなり得ます。保護者とお子さんが、気軽に推し活について話し合えるようにコミュニケーションをとり、保護者が健全な推し活を楽しむためのサポートをすることで、お子さんにとって、より大きな心の成長の機会となるかもしれません。
  • 推し活友達の作り方「オタ友の輪を広げて推し活を充実させよ!」(Oshimoa)
    推し活友達(オタク友達)の作り方について、SNSでのつながり方や、イベントで実際に声をかけるなどの方法を紹介している記事です。SNSは様々な危険が存在するため、その利用方法については、お子さんとよく話し合う必要があります。LINEなどの連絡ツールでも、素人がライブ配信を簡単にはじめられるなど、インターネットの危険性は常に潜在しているため、ただSNSやインターネットでの交流を禁止するだけではなく、お子さん一人一人にとっての、正しい使い方を考えていく必要があります。
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