【オンラインでのつながり編】不登校の高校生・中学生・小学生の居場所や過ごし方

オンラインでのつながりには、オンラインフリースクールのような、お子さん向けのコミュニティーや、オンラインの習い事、SNS、オンラインゲームのチャットやトーク機能など、さまざまなものがあります。

このようなオンラインでのつながりは、不登校のお子さんや、ホームスクールを選択しているお子さんにとって、他の人と関わることができる居場所の一つです。

学校に通わないお子さんの課題として、社会とのつながりが希薄になってしまうことが多いことが挙げられますが、社会とのつながりが薄れて孤立感を抱えるお子さんにとって、オンラインでの交流はその孤独感を軽減する可能性があります。

なぜなら、オンラインサービスは気軽に利用できますし、お子さんと同じ興味をもつ方や、同じく学校へ登校していないお子さんと出会える可能性も高いため、出会った相手との関係で、お子さんが元気づけられたり、互いに共感や理解しあったりする関係性を築くことができるからです。

実際にオンライン上で不登校のお子さん同士が出会うケースとしては、多くの人が学校へ行っているような時間帯に、同じサイトやオンラインゲームにアクセスしていることで、「この時間にアクセスしているということは、同じ学校へ行っていない子だ」と気がつき、仲を深めていくことが多いようです。

似た境遇のお子さんと出会うことで、たとえ顔の見えないオンライン上での関わりであっても、心の支えとなる友人を見つけられることもあります。

その人との関わりが自己肯定感やコミュニケーションスキルの向上につながる可能性もありますし、将来的に対面のコミュニケーションで役立てることができるのです。

また、ホームスクールや不登校を経験されているお子さん方のお話によれば、さまざまな理由で学校へは行っていないものの、同世代の友達や、理解し合える、歳の近い相手がほしいと思っている方は多くいらっしゃいます。

特に、不登校となった経緯の中に、人との関わりにおいて傷ついた経験のあるお子さんは、すぐに対面での人との関わりを求めてはいないことが多く、オンラインのコミュニティーであれば、なんとかチャレンジできる状態であることも多いのだそうです。

一方で、オンラインでのつながりには多くの保護者の心配事が存在するのも事実です。

実際に保護の方からよく聞く困り事としては、個人情報が漏洩する危険性、長時間の利用によって起こり得る昼夜逆転や実生活が疎かになること、学習とのバランス、オンラインゲームにおける課金の問題などがあります。

また、ゲーム依存やSNSトラブルのリスクについても、不安に思われている保護者は多くいらっしゃいるようです。

しかし、たとえオンラインゲームやSNS上での関わりだとしても、人との関わりにおいての心の居場所となるのであれば、お子さんにとって、一時的には必要な居場所かもしれません。

このため、オンライン上で起こりがちなトラブルを予防するために、相手に話す内容や、利用時間について、実生活とどのようにバランスをとるか、課金方法や課金額の上限についてなど、お子さんが主体となって約束事を決めることが、お子さんの安全を守る上で大切です。

保護者とお子さんが起こり得るリスクを共有し、お子さん自身が自分で守れそうな約束を考え、親子間の話し合いを通して約束事を決めるようにすることで、お子さんと保護者の信頼関係のもと、より安全にオンラインサービスを利用することができるのではないでしょうか。

【役立つ情報】外部リンク

  • ゲームに熱中する子に対して、してはいけない3つのタブー(不登校新聞)
    精神科医の関正樹先生のインタビュー記事です。この記事では、ゲームについてゲームをプレイすること自体の利点や、親子間でゲームに関する約束事を設けること、その約束事をお子さんが主体となって考えることの重要性についてお話しされています。近年、ゲームや、特にオンラインゲームの普及が著しく、無料で簡単にプレイできるゲームが多数存在しています。本サイト「エデュモラ」では、ゲームの中でもオンラインゲームの存在について、お子さんが他の人との関わりをもつことができる場として、有益であると考えています。しかし、世界保健機関が2019年に「ICD-11」でゲーム障害を認定し、保護者の中には、お子さんがゲーム依存になるのではないかと心配される方も大勢いらっしゃいます。関先生は、ゲーム障害についても記事の中で触れられており、親が心配しているケースの大半は「今、ゲームに熱中せざるをえない理由」がきちんとあり、いずれはゲームを卒業していくとおっしゃっています。また、保護者のお子さんとの関わり方について、保護者はお子さんと共に約束事を考えるだけでなく、その約束事が実現可能かどうかを検討することや、お子さんが遊んでいるゲームについて理解を深めることが大切であるとも述べられています。
  • ゴーストスクール(HoSA)
    ゴーストスクールは、日本ホームスクール支援協会が運営を行う、義務教育課程のホームスクーラーを対象とした国内初のオンラインスクールです。オンラインスクールとは言っても、学習のためにある場ではなく、主な活動は「部活動」と、他のお子さんと一緒に共同でイベントを企画したり一緒に大きな作品を作る「共同プロジェクト」や、お子さん一人一人が作品を作成して見せあう、「個人プロジェクト」とのことです。
  • 不登校におすすめのオンライン習いごと17選(おうち部)
    オンラインの習い事は、人との関わりをもつことができ、趣味を見つけたり、特技を身につけたりすることができます。好きなことや得意なことを伸ばすことは、実生活においても新しい居場所を見つけるきっかけとなり得ますし、不登校となる過程の中ですり減ってしまった、お子さんのエネルギーを回復させるきっかけにもなるかもしれません。
    また、一般的にオンラインの習い事は大勢の方と関わるのが難しいことが多いのですが、本サイト「エデュモラ」では、以前「オンラインの習い事でグループ学習」できる場所について紹介しています。グループ学習制度のある習い事であれば、他のお子さんと関わる機会をもつことができますので、同世代のお子さんとの関わりをもちたいと思っているお子さんには、特にオススメです。
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