家を出て、やっと手に入れた自由な生活。
でも、携帯電話の契約名義が家族や配偶者のままになっていると、思わぬ形で居場所や状況がバレてしまう危険があります。
この記事では、携帯の名義変更や乗り換えの方法をわかりやすく解説し、自立した生活を守るための具体的な対策をご紹介します。
1.なぜ名義変更が必要なのか?
携帯電話は、私たちの日常生活に欠かせないツールです。
しかし、契約名義が自分以外の人になっている場合、以下のようなリスクがあります。
● 請求書の送付先が実家や加害者に…
毎月の明細やお知らせが、名義人の住所に送られているケースは多く、あなたの通話記録や利用状況を知られてしまう可能性があります。
● マイページやアプリにログインされる危険
多くのキャリアでは、契約者がスマホアプリやWEBサイトから使用履歴・位置情報・機種変更情報などを確認可能です。
本人が気づかないうちに監視されるという事例もあります。
● 突然の解約・停止リスク
名義人の判断で一方的に解約されたり、通信を止められることもあります。
連絡手段を失えば、支援者や安全な人とのつながりまで断たれる危険があります。
2.筆者の体験談:名義のこと、最初は考えていませんでした
実は、筆者自身も家を出たとき、携帯の契約が親名義のままだということに気づいていませんでした。
避難先で少し落ち着いた翌日、「このままじゃ、請求書が親に届いてしまうかも」と気がつき、あわてて行動に移しました。
LINEのバックアップなどは行わず、大切な連絡先だけ紙にメモしておきました。
そのうえで、電車で1時間以上かかる場所の携帯ショップに向かい、その場で現在の契約を解約。
新しい携帯会社で、自分名義で契約し直しました。
LINEの履歴は残らなかったし、いくつかの連絡はもう取れないかもしれない。
でも、それ以上に「これで本当に“自分だけの通信手段”ができた」と感じたときの安心感は、何にも代えられないものでした。
3.自分名義に変更するには?
名義変更には2つの方法があります。状況や使っているキャリアによって、適した方法を選びましょう。
実際に来店する前に、必ず各キャリアに問い合わせをしてください。
家を出てから慌てることがないよう、手続きには何が必要か、事前に情報収集することが大切です。
【方法1】キャリアで名義変更をする(docomo・au・Softbankなど)
各キャリアのショップに行けば、名義変更の手続きができます。
必要なもの:
- 名義変更前の契約者(家族など)の同意書や来店
- あなたの本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑(場合により必要)
注意点:
- DVやモラハラの加害者が名義人の場合、同意を得ることが困難なケースが多いです。
- その場合は、次の「乗り換え」が現実的です。
【方法2】MNPを使って、自分名義で新規契約する(番号そのままOK)
MNP(携帯番号ポータビリティ)を使えば、現在の番号のまま、新しいキャリアで契約ができます。
流れ:
- 現在の契約からMNP予約番号を発行(ネットや電話で可)
- 新しいキャリアで「自分名義」で契約
- SIMカードが届き次第、差し替えて使い始める
本人確認に必要なもの:
- 住民票、運転免許証、マイナンバーカードなど
※住民票ロックをしている人は、対応可能なキャリアか確認を。
番号をそのまま使うことは、加害者が番号を知っているので危険が伴います。
電話番号を全部変えるのは大変ですが、リスクを減らせるのでオススメです。
【方法3】解約して、新規契約する
完全に今の携帯を解約して、リスク回避のためには有効な手段です。
【方法4】自分名義でないならば、スマホは置いて出る
元の端末を初期化せずに持ち出すと、情報が漏れる危険性があります。今まで知り合いだった人と離れるのは怖いかもしれませんが、逃げるためにスマホが足枷になってしまうなら、置いて出るのも手です。

必要な電話番号だけ手書きでメモしておくのも良いね!
スマホに証拠などを保存している場合は、クラウド上に保存してスマホを手放すなど、復元できるようにしてください。
4.名義変更が難しいときの対処法
どうしても名義変更や乗り換えができない場合は、以下の方法も検討しましょう。
● プリペイドSIMを使う
- 本人確認が不要なものもあり、即日使える
- 月額制ではないため、実家に請求が届くことはない
- データ通信専用もあり、LINE通話などは使える
● 支援団体の協力を受ける
- 一部の自立支援センターでは、生活保護申請と同時に携帯契約の名義変更をサポートしてくれる場合があります。
5.バレないための注意点と落とし穴
名義変更をしても、設定次第では個人情報が漏れるリスクが残ります。以下の点に注意してください。
- キャリアアプリ・マイページの自動ログインを無効化
- メール通知・SMSの設定を見直し
- 請求書の送付先が実家になっていないか確認
- 契約書の控えなどを実家に送らないようにする
● 古いSIM・端末の扱いに注意
- 解約済みのSIMカードも、加害者が再発行申請をしてくるケースがあります。
- 使用していたスマホは初期化・SIM抜き・ロック解除の有無を確認し、必要なら破棄・保管を。
6.おわりに|通信の自由は、自分を守る一歩
携帯電話は、あなたの毎日をつなぐ命綱です。
名義が自分でないままだと、知らぬ間に情報が筒抜けになるリスクがあります。
不安な時は、「もういいか」と思わずに、少しずつでいいので対策を進めていくのが吉◎
あなたが安全に、そして自由に連絡をとれる環境を持つことは、当たり前の権利です!
おまけ|全国の相談窓口・支援団体一覧【携帯契約・避難生活に不安がある方へ】
携帯の契約や名義変更に悩んでいるとき、ひとりで抱え込まずに状況によってどのように対策するか、専門機関に相談することも大切です。
以下に、安心して相談できる全国の支援団体・相談窓口をご紹介します。



どの支援団体がどんなアドバイスをくれるかは、相談員の方やタイミングによって少しずつ異なることもあるよ!
だからこそ、いくつかの窓口で話を聞いてみながら、自分に合った方法を少しずつ見つけていくことが大切。
焦らず、比べながら選んでいこうね!
🔶 全国的な支援団体・電話相談
◆ よりそいホットライン(24時間対応・全国共通)
性別・年齢・国籍を問わず、誰でも無料で相談できます。
DVや性暴力に特化した専用ラインもあります。
- 電話番号:0120-279-338(24時間対応)
- 公式サイトはこちら
※IP電話など一部繋がらない場合は、各自治体の窓口へ。
◆ DV相談ナビ(最寄りのDV相談窓口につながる短縮ダイヤル)
- 電話番号:#8008(全国共通)
◆ 内閣府 女性相談支援全国共通ナビダイヤル
- 電話番号:0570-0-55210(配偶者からの暴力に関する相談)
◆ 性暴力救援ダイヤル NaNa(性暴力被害者の相談窓口)
- 電話番号:#8899(全国共通)
◆ Colabo(コラボ)
若年女性に対する支援、シェルター運営、街頭支援などを行う団体です。
◆ 全国シェルターネット
全国の民間シェルターや支援団体のネットワーク。避難先の相談も可能です。
地域ごとの支援窓口を探すには?
お住まいの地域に合わせて、
「◯◯県(市区町村)+DV相談」
「◯◯市+女性相談」「◯◯+自立支援」
などで検索すると、地域密着型の相談窓口が見つかります。
近くの婦人相談所・福祉事務所でも相談に乗ってもらえることがあります。
携帯電話に関するトラブル・消費者相談
◆ 国民生活センター
- 電話番号:188(局番なし)
→ お近くの消費生活センターに自動で接続されます。 - https://www.kokusen.go.jp/
相談するときのポイント
- 話す前に「今困っていること」「契約の名義」などを書き出しておくとスムーズです。
- 相談は無料のところがほとんど。安心して話してください。
- 緊急時は、ためらわずに警察(110番)へ。